私たちの身の回りには金属を含む製品がたくさんあり、その製品を作るための機械にもさまざまな金属が使われています。
金属を製品の部品として機能させるためには、適切な加工を施す必要があります。
そういった金属の加工をまとめて「金属加工」と呼びます。
この記事では、
について解説します。
目次:タップで該当箇所へジャンプ1 金属加工とは2 金属加工方法の主な種類2.1 金属加工の種類①:機械加工2.2 金属加工の種類②:熱処理加工2.3 金属加工の種類③:表面処理3 機械加工方法の種類3.1 形を作る3.2 不要部分を取り除く3.3 付加する3.4 結合する4 熱処理加工方法の種類4.1 部品全体を加工する4.2 部品の表面を加工する5 表面処理方法の種類5.1 膜を作る5.2 表面に塗り付ける5.3 表面を硬くさせる6 まとめ
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金属加工とは、何か製品を作る際に使用する金属に加工を加えることを指します。
金属に加える加工にはたくさんの種類があり、加工する手段もさまざまです。
私たちの日常でいろいろな金属が見られるように、その金属を作るための加工の種類は多岐にわたります。
金属加工方法にはさまざまな種類があるため、分類分けにもいろいろな方法があります。
特に大きな分類分けは、「金属の形を変える加工」と「金属の性質を変える加工」の2種類に分ける考え方です。
金属の形を変える加工では、製品のパーツとして機能するために金属の形を整えることが目的です。
金属の性質を変える加工では、製品の耐久性を上げたり、使いやすく仕上げたりすることを目的としています。
ここでは、金属加工を「金属の形を変える加工」と「金属の性質を変える加工」の2種類に分けたとして、その中でも特にメジャーな金属加工の種類を3つご紹介します。
金属加工方法の主な種類の1つ目は、機械加工です。
機械加工は金属の形を変える加工の中でもメジャーな金属加工の一種です。
さまざまな工作機械や切削工具を用いて加工をするため「機械加工」と呼ばれています。
機械加工の特徴は、人の手では難しい複雑な加工や高精度での加工を行えることです。
機械加工の中でも、旋盤やフライス盤などの刃物を用いた加工を「切削加工」と呼び、砥石を用いて少しずつ加工物を削る加工を「研削加工」と呼びます。
また、レーザー加工など「切削加工」や「研削加工」に分類されない加工を「特殊加工」と呼びます。
金属加工方法の主な種類の2つ目は、熱処理加工です。
熱処理加工は、金属の性質を変える加工の中でもメジャーな金属加工の一種です。
熱処理加工の中にもさまざまな種類の加工があり、特に認知されている加工方法は「焼入れ・焼き戻し」でしょう。
焼入れ・焼き戻しでは、金属を高温にまで熱してから水に浸すことで、金属をより頑丈に仕上げられます。
他にも熱処理加工にはさまざまな種類がありますが、どれも共通して金属組織を変えることでより製品に適した性質の金属を作ることを目的としています。
金属加工方法の主な種類の3つ目は、表面処理です。
表面処理とは、名前のとおり金属の表面にのみ処理を施す金属加工の一種です。
表面を処理する方法にもさまざまな種類がありますが、どれも表面の性質を変えることや耐久性を上げるために用いられることは共通しています。
機械加工方法の種類を目的別に4つご紹介します。
機械加工方法の種類の1つ目は、形を作る加工です。
形を作る加工は「成形」と呼ばれ、金属を溶かして固める「鋳造」がメジャーです。
他には、力を加えて変形させる「塑性加工」などがよく用いられています。
機械加工方法の種類の2つ目は、不要部分を取り除く加工です。
不要部分を取り除く加工は「除去加工」と呼ばれ、取り除く方式により複数の種類に分類されます。
刃物により不要部分を削り取る「切削」がメジャーな除去加工です。
また、切削より手間がかかる代わりに、砥石により高い精度で加工できる「研削」もよく用いられています。
機械加工方法の種類の3つ目は、材料を付加する「付加加工」です。3Dプリンターなどを用いることで、金属に材料を付加し固定できます。
機械加工方法の種類の4つ目は、部品を結合する加工です。
結合する方式により「材質的結合」、「機械的結合」、「化学的結合」の3種類に分けられます。
それぞれで結合力や精度に差があるので、加工内容によって適切に使い分ける必要があります。
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熱処理加工方法の種類を目的別に2つご紹介します。
熱処理加工方法の種類の1つ目は、部品全体を加工する「全体熱処理」です。
焼入れ・焼き戻しなどの熱サイクルを利用する加工を「熱処理」と呼ぶのに対して、加工物を冷やして合金部分を固める加工を「特殊熱処理」と呼びます。
熱処理加工方法の種類の3つ目は、部品の表面のみを加工する「表面熱処理」です。
部品の表面にのみ焼入れを施す方式や、炭素を利用する方式、窒素により硬化させる方式など、さまざまな方式が存在します。
表面処理方法の種類を目的別に3つご紹介します。
表面処理方法の種類の1つ目は、膜を作る加工を施す「電気化学処理」です。
電気化学処理の中では、金属の膜を作る「めっき」が特にメジャーな方式です。
他には、化学反応により表面の質を高める「化学処理」や、通電により酸化被膜を作る「陽極酸化」などがあります。
表面処理方法の種類の2つ目は、表面に塗料を塗り付ける加工を施す「塗装」です。
塗料に液体を用いる方式を「流動性塗装」と呼び、塗料に粉末を用いる方式を「粉体塗装」と呼びます。
塗装を施す目的は、さび対策や耐火性の向上、見た目を美しく仕上げるための光沢など多岐にわたります。
表面処理方法の種類の3つ目は、表面を硬くさせる加工を施す「物理的表面処理」です。
加工物の表面に投射材と呼ばれる粒体をぶつけることで硬化性を高める「ショット・ブラスト」がメジャーな物理的表面処理として知られています。
また、ショット・ブラストの中にも種類があり、小さな球体をぶつけることで硬化を図る「ショットピーニング」や、研磨剤を吹き付けることでさび取りを行う「サンドブラスト」などがよく用いられています。
今回は金属加工を「機械加工」、「熱処理加工」、「表面処理」の3種類に分類して解説しました。
金属といってもさまざまな種類が存在しているため、加工の内容によって適切な金属加工の種類を選ぶことが重要です。
南条製作所なら、今回ご紹介した「機械加工」、「熱処理加工」、「表面処理」の3種類すべての加工が可能です。
金属加工を施す場合、いかに適切な方式を選択できるかで、作業の効率やコスト、完成度が大きく異なります。
金属加工のご依頼をしたい場合はもちろんのこと、「どんな金属加工が適切かわからない場合」、「より効率的に金属加工を施したい場合」など、気軽に弊社にお問い合わせください。
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