HOMEPick Up切削加工3種類を解説!旋削加工・フライス加工・穴あけ加工とは

切削加工3種類を解説!旋削加工・フライス加工・穴あけ加工とは

切削加工と聞いても、具体的にイメージできない方や、どんな工具を使うか知らない方は多いのではないでしょうか。

この記事では、切削加工を「旋削加工」、「フライス加工」、「穴あけ加工」の3種類に分けて解説します。

ぜひ参考にしてください。

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切削加工とは

切削加工とは、機械や工具を用いて金属や樹脂などの加工物を切ったり削ったりする加工、もしくは加工する技術を指します。

刃物で加工物を端から削り取ったり、尖った工具で穴を開けたりなど、さまざまな方式があります。

 

切削加工の種類

切削加工にはいくつかの種類があり、工具によって加工物の形を変える方法は異なります。

ここでは、切削加工の種類を大きく3つに分類して解説します。

  1. 旋削加工
  2. フライス加工
  3. 穴あけ加工

 

切削加工の種類①:旋削加工

旋削加工とは、高速で回転させた工作物を刃物などの工具に当てることで削って形作る切削加工の種類です。

シャフトやボルトなどの円筒状の工作物の加工によく使われています。

 

切削加工の種類②:フライス加工

フライス加工とは、高速で回転する工具を固定された工作物に当てることで削る切削加工の種類です。

フライス加工の特徴は、種類が豊富でさまざまな加工に対応できることです。

使う工具によって加工の種類や、手動か自動、工具の傾き、加工できる面数など、フライス加工の種類は枝分かれしています。

 

切削加工の種類③:穴あけ加工

穴あけ加工とは、文字どおり工作物に穴をあける切削加工の種類です。

尖った工具を高速で回転させ押し当てることで、ドリルのように工作物に穴をあけます。

他の切削加工と比較するとシンプルに思える穴あけ加工ですが、高い精度で穴をあける加工や、穴の内側を広げる加工など、さまざまな種類の穴あけ加工があります。

 

旋削加工の種類&ポイント

旋削加工は主に下記の2種類に分類されます。

  1. 外周加工
  2. 端面加工

 

外周加工とは、回転する工作物の外側から工具を押し当てて削る旋削加工です。

外周を削り、工作物に段差を付けたり溝を作ったりできます。

また、ただ工作物を削って段差を付けるだけでなく、勾配を付けて切断面が斜めになるよう削ることも可能です。

端面加工とは、回転する工作物の端の面に工具を押し当てて削る旋削加工です。

端面の凹凸を削って平らにするために使われています。

他には、角を削る面取りをする加工にも端面加工が適しています。

また、旋削加工にNC旋盤を用いるケースが増えています。

NC旋盤とはあらかじめ設定しておいたプログラムにより機械が自動で加工を進める機械です。

手作業では難しいような細かい加工を確実にこなせることが強みです。

また、一度プログラムを設定してしまえば、誰が操作しても同じ加工を行えるので、作業者の技術に依存してしまうリスクを排除できます。

 

バイトの種類

バイトとは、加工物に押し当てる刃物の工具のことです。

回転させる工作物のことを「加工ワーク」と呼ぶのに対して、工作物に当てる工具が「バイト」です。

旋削加工に用いる主なバイトは下記の4種類です。

  1. 片刃バイト
  2. 剣バイト
  3. 突切りバイト
  4. 中ぐりバイト

片刃バイトとは、片側にのみ刃が付いているバイトです。

外周加工、端面加工のどちらにも使われており、旋削加工において最もメジャーなバイトです。

剣バイトは先端部分が尖ったバイトです。外周加工、端面加工の両方に使われています。

勾配を付ける加工に適しており、片刃バイトでは難しい複雑な加工に使われています。

突切りバイトは、工具の先端部分が細いバイトです。外周加工に使われ、細さを活かして溝を掘る際に重宝されています。

中ぐりバイトは、細長く丸みを帯びた形状が特徴のバイトです。

工作物の穴に押し入れて穴を大きくする加工に使われています。

 

フライス加工の種類&ポイント

フライス加工は主に下記の5種類に分けられます。

  1. 平面加工
  2. 側面加工
  3. 段差加工
  4. 溝加工
  5. 3次元加工

 

平面加工は工作物の平面を削る加工です。工作物を設置したテーブルを動かしながら削り加工を行います。

側面加工は工作物の側面を削る加工です。一般的なフライスや、サイドカッターなどを用いて加工を行います。

段差加工は工作物に段差を作る加工です。段差の高さによって、用いる工具が異なります。

溝加工は工作物に溝を作る加工です。エンドミルという工具や溝加工用のフライスを用いて加工を行います。

3次元加工は前後左右から工具を当てることで、工作物を三次元から手を加える加工です。

三軸加工機械を用いれば、一度の作業で3次元の加工を済ませられます。

また、五軸加工機を用いると、工作物を斜めに傾けながら加工できるため、より複雑な加工でも高精度で行えます。

 

フライス加工に用いる工具や刃物の種類

フライス加工に用いる工具や刃物の種類を解説します。

主な工具は下記の4つです。

  1. 正面フライス
  2. エンドミル
  3. 溝フライス
  4. 平フライス

 

正面フライスは、複数の刃を回転させることで工作物の表面を削り取る工具です。

効率的に加工を進められ、精度も高いことから、フライス加工の中でも最もメジャーな工具です。

また、正面フライスは「フェースミル」とも呼ばれています。

エンドミルは、円筒状の形が特徴の工具です。外周刃と底刃により工作物を削ります。

正面フライスとは異なり、平面以外の加工にも使えます。また、正面フライスでは加工が難しい細かな加工にも向いています。

溝フライスは、工作物に溝を作る際に重宝されている工具です。円状の刃が高速で回転することで、効率的に溝を作ります。

平フライスは効率よく工作物を削る工具です。ただ、精度では正面フライスに劣るため、適切な使い分けが重要です。

 

フライス加工に用いる主な機械を3つご紹介します。

  1. 汎用フライス
  2. NCフライス
  3. マシニングセンタ

 

汎用フライスは、手作業で工具を取り替えて加工を行う機械です。上手く扱うには、高い技術が要求されます。

NCフライスは、プログラムにより数値制御で加工する機械です。

手作業ではなく機械が制御するため、誰が作業しても高品質な工作物を生産できます。

マシニングセンタは、NCフライスに自動で工具を交換する機能を加えた機械です。

工具を交換する必要もないので、効率的に加工を行えます。

 

穴あけ加工の種類&ポイント

穴あけ加工は主に下記の3種類に分けられます。

  1. 浅穴加工
  2. 深穴加工
  3. カウンターボウリング

 

穴あけ加工の中でも、ドリルの直径の3倍以下の穴をあける加工を浅穴加工、ドリルの直径の10倍以上の穴をあける加工を深穴加工と呼びます。

また、すでにあいている穴を広げる加工をカウンターボウリングと呼びます。

 

ねじ切り

穴あけ加工の中で、ネジ穴を作る加工を「ねじ切り」と呼びます。

ねじ切りを行うための工具はさまざまですが、ねじ切りようのバイトを使うのが一般的です。

 

切削加工の注意点

切削加工の注意点は、作業者の技術に依存してしまう可能性があることです。

NCフライスやマシニングセンタなどの数値制御を行える機械を用いないと、切削加工による工作物の出来栄えは技術者に依存してしまいます。

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まとめ

今回は切削加工を「旋削加工」、「フライス加工」、「穴あけ加工」の3種類に分けて解説しました。

切削加工といっても、その種類はさまざまです。

効率的に高精度の加工物を生産するために、有効な切削加工を使い分けましょう。

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