HOMEPick Up製缶加工とは?加工の流れや機械加工との違いを徹底解説

製缶加工とは?加工の流れや機械加工との違いを徹底解説

製缶加工とは?加工の流れや機械加工との違いを徹底解説

金属の加工方法の1つに「製缶加工」があります。

製缶加工とは、大きな金属板を加工し、タンクや構造物の骨組みなどを製作する方法のことです。

製缶加工には複数の工程があり、ほかの金属加工と何が違うのか気になる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、製缶加工はどのようなもので、どのようなメリット・デメリットがあるのか、製缶加工の流れをまとめました。

さらに、機械加工との違いもわかりやすく解説しています。

製缶加工について知りたい方や加工依頼を検討している方はぜひご覧ください。

▼弊社の会社概要はコチラからご覧いただけます。

 

製缶加工とは?

製缶とは、ステンレスや鉄などの金属板を加工し、構造物の骨組みや容器(缶)などを製作することです。

  • 水槽
  • タンク
  • クレーンや船の部品
  • 大型機械のカバー
  • 構造物の骨組み

金属板を上記のような製品に加工するのが製缶加工です。

製作される加工物の構造はさまざまで、切断や曲げ加工以外に穴開けや溶接などもするため、板金加工とは区別されています。

また、高い強度や耐久性が求められます。

溶接の精度の高さが加工品の仕上がりを左右するため、技術者の技量が問われる点も特徴的です。

製缶加工された構造物を身近で見る機会はあまりないかもしれませんが、ものづくりの現場には必要不可欠な方法の1つといえるでしょう。

 

製缶加工のメリット・デメリット

製缶加工にもメリットデメリットがそれぞれあるため、簡単に紹介していきます。

 

メリット

製缶加工は、大型の構造物の製作に向いています。

また、強度の高さが求められる製品に対する加工法として重宝されるのも特徴です。

製缶加工は厚みのある金属板を使用するため、強度を強くしやすいという側面もあります。

 

デメリット

製缶加工のデメリットは、手作業による加工や溶接が必須で、高い技術力や豊富な知識が必要な点です。

プレス加工して量産できる製品ではなく、作業に時間と手間がかかることから、製作コストがかかってしまうのもデメリットの1つといえるでしょう。

また、材料の調達費がかさむというデメリットもあります。

 

製缶加工の流れ

製缶加工の流れ・作業手順は、大きく分けて以下の6ステップです。

  1. 図面作成
  2. 切断・溶断
  3. 曲げ加工
  4. 溶接
  5. 処理・組み立て
  6. 検査・納品

それぞれの工程について詳しく解説していきます。

 

流れ①:図面作成

あらゆる金属加工に共通しますが、まずは図面を作成します。

図面作成において重要なのが、コスト意識です。

  • 必要以上に高い精度は要求しない
  • 追加の加工を必要としない
  • 溶接か所を少なくできる切断方法の検討
  • 材料の無駄を抑えた図面作成

作成する図面次第で、加工物にかかる時間的コストも大きく異なります。

無駄を省いて加工をスムーズに進められる図面の作成が重要です。

 

流れ②:切断・溶断

作成した図面をもとに、材料を必要な形状に切断します。

切断の際も、材料の特徴に応じてレーザー加工機・パンチング加工機などの機械を適切に選択しなければなりません。

金属板によっては金属を溶かしながら必要な形状を切り出していく「溶断」をするケースもあります。

切断加工には数多くの加工機械が用意されていても、メーカーによっては特定の素材しか加工に対応していない、そもそも導入していない加工機があるケースも

弊社の導入している設備を知りたい方は、設備紹介ページからご確認ください。

 

流れ③:曲げ加工

切断した材料の曲げ加工に入ります。

曲げ加工では「ダイ」と呼ばれる金属の型を使用します。

ダイの上に材料を配置してプレス機を作動させ、任意の形状に材料を曲げ加工をしていきます。

曲げ加工の基本は「円形にまるめるように曲げる」「ある特定の角度まで曲げる」の2つ。

位置や角度が少し異なるだけで、その後の溶接作業に悪影響を及ぼします。

最悪のケースでは切断からやり直すこともあるため、繊細な作業なのです。

曲げ加工にも複数の方法があるため、材料・素材の特徴にあわせて、負担の少ない曲げ加工を選択する必要があります

 

流れ④:溶接

加工した材料同士を接着し、1つの構造物に仕上げるのが溶接作業です。

製缶加工の要とも言える作業で、溶接の精度が加工品の強度を大きく左右します。

溶接とは、金属を熱で溶かして融合させ、冷却して固める加工のことです。

溶接も、素材や製品の用途に合わせて方法を使い分ける必要があります。

溶接する際は、熱を加えているときに接着部が空気に触れると強度が下がってしまうため、不活性ガスを噴出して無酸素状態にしなければなりません。

溶接の方法によって仕組みは若干異なりますが、接合部の強度を落とさないようにするのが非常に重要なのは言うまでもありません

 

流れ⑤:処理・組み立て

溶接が完了したら、加工品の使用環境にあわせて耐食性や耐熱性に対する表面処理をおこないます

ほかにも、加工品の表面を装飾・着色処理することも。

表面処理した部品の組み立ても手作業なため、ここでも高い技術力が求められます。

 

流れ⑥:検査・納品

組み立てが完了したら、製品に問題がないか検査を実施。

検査が完了してすべての作業が終了したら、発注者のもとに納品します。

場合によっては現地で設置・備え付けまでをおこなうケースもあるでしょう。

 

製缶加工と機械加工の3つの違い

製缶加工と機械加工は関連性のある加工方法です。

製缶加工した素材に対し、切削機械で加工するなど、ひとつの製品を作るのに2つの加工を用いるケースもあります。

機械加工とは、様々な機能を持つ工作機械を用い、金属板を研削や切削して求められた形状に加工することです。

ここでは、両者の加工方法の違いを3つの観点で紹介します。

 

違い①:製造される製品

製缶加工は、大型の構造体を製作するための加工を指しており、機械加工は各製品における特定の部品を製作するための加工を指しています。

「特定のモノ」を製作する工程の総称なのか、製品作りの過程で施す工程の1つなのかという製造される製品に違いがあります。

 

違い②:材料

製缶加工の場合、使用する主な材料はステンレスまたは鉄です。

一方、機械加工における加工対象の材料は、ステンレスだけではなくアルミ・チタン・銅などの様々な非鉄金属も加工対象。

このように扱う材料の幅が異なります。

 

違い③:板厚

製缶加工の場合は、一般的に厚さ7ミリ以上の金属板を用いることが多い傾向にあります。

実際のところ、厚さ何ミリ以上が該当するといったものはなく、製作する構造物の仕様にマッチする適切な金属を使用するのが大前提です。

なお、製缶加工と板金加工の違いでいえば、金属板の厚さが7ミリ以下の場合は板金加工として認知されるのが一般的。

一方、機械加工は板厚に関する指定などはなく、決められた仕様に当てはまるよう適切な手法を選択して加工します。

 

三重県で製缶加工を依頼するなら南条製作所

弊社では、長年培った豊富なノウハウと高い技術力で、製缶加工の実績も豊富です。

切断・曲げ・溶接・組み立てを自社工場で一貫して対応しており、貯水やオイルなどの階段や手すりなど、多数の加工実績があります。

製缶加工に必要な大型設備・機械を豊富に用意しているため、溶接箇所を減らして強度に優れた製品作りが可能です。

金属加工に関してお困りごとがありましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

 

まとめ

きな金属板を加工し、タンクや構造物の骨組みなどを製作する製缶加工は、複数の工程を手作業でおこなうため、高い技術力が求められます。

図面作成はもちろん、切断や溶接などの各工程では、材料の特徴を理解し、材料に負担のかかりにくい方法で適切に加工を施さなければなりません。

製缶加工を依頼する際は、製作会社の設備や技術力を比較するのがおすすめです。

一貫体制はもちろん、大型機械を導入して作業効率の高さを確保しているかを確認しましょう。

製缶加工について何かございましたら、お気軽に弊社にお問い合わせください。

【関連記事】製缶板金加工とは?これだけ読めばOK!基礎知識と板金加工との違い
【関連記事】鉄板の曲げ加工とは?加工方法別に徹底解説

 

▼弊社の資料はコチラからご覧いただけます。