ロケットの部品が日本で作られているということを知らない人も多いのではないでしょうか。
実は、日本は航空機をはじめとするロケットや人工衛星などの宇宙産業で大きな期待をされています。
人工衛星やロケットは宇宙への物資輸送や天気を知る上で重要な手段で、現代では必要不可欠です。
弊社ではロケットの部品や発射台の製作も承っており、ロケット産業へ大きく関わっています。
そこで本記事ではロケットの部品製造を深堀りし、製造過程における課題について言及しました。
ロケットに興味のある方は今後の参考にしてください。
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まずはロケットの部品とはなにかを解説していきます。
ロケットは実にさまざまな部品から構成されており、その数も膨大です。
ロケットは1つの企業で作られているのではなく、いくつもの企業が部品を製造し、それらを組み立てて完成します。
ロケットの部品には、分離される衛星部分やロケットを動かすプログラム、エンジンやガスジェット装置などが含まれます。
これらひとつひとつの部品が重要な役割を担い、ロケットが打ち上げられるのです。
それでは実際に、ロケットの部品がどのようにして構造され、作られているのでしょうか。
ロケットの代表格であるH-ⅡAロケットを例に挙げて解説していきます。
まずロケットは大きく分けて、以下の4つから構成されています。
第1段液体燃料ロケットはロケットの中で最も大きな部分で、打ち上げからロケットの上昇・加速するための燃料が入っているところです。
燃料タンクのほかに、エンジンも組み込まれています。
第1段液体燃料ロケットの両脇についているのが、固体燃料ロケットです。
これはSRB-Aと呼ばれ、第1段液体燃料ロケットの力を促進し、ロケットを軌道に乗せるブースターの役割を果たします。
そして第1段液体燃料ロケットの燃料が尽き、切りはなされた後に登場するのが、第2段液体燃料ロケットです。
第1段液体燃料ロケットよりも、第2段液体燃料ロケットは長く燃焼できます。
そしてロケットの核である人工衛星部分を守るのが、衛星フェアリングです。
衛星フェアリングは、打ち上げ時の衝撃や飛行中の摩擦などから衛星を守ります。
このように4つの部分からロケットは構成されているのです。
ロケットの部品数は約30万点と言われています。
自動車の部品数は10万点、航空機は300万点なので、ロケットは航空機よりも少ないことになります。
航空機よりも遥かに上空を飛ぶロケットであれば、さらに部品数が多いように思われますがそうではありません。
ロケットは宇宙までいくために軽量かつ丈夫なものが必要です。
また、現在スペースデブリと呼ばれる宇宙のごみが社会問題となっています。
ロケットは上昇するにつれ不要になったエンジン等を切り離しますが、これらが宇宙でごみとなり、飛行中の人工衛星にぶつかったり地球に落下したりする危険性があるのです。
そのため、ロケットは航空機よりも部品数が少なく、スマートかつ軽量であることが大切なのです。
【関連記事】航空機の部品製造とは?材質やポイントを徹底解説
ロケットは、ただ単に気象衛星や物資輸送だけの手段ではありません。
私達のライフラインに必要な災害情報や通信・放送までも担っているのが宇宙産業です。
ロケットの開発を怠れば、他国にこのライフラインを依存しなくては生活ができなくなり、日本の技術力は低下してしまう可能性も。
またロケット開発において、自動車の部品数よりも遥かに多い30万点もの部品を作り、さらにそれらを組み立てるには、最先端かつ高度な技術が必要になります。
ロケット開発は、国内の技術力を維持するためにも重要なファクターなのです。
ロケット開発の技術はそれだけに留まらず、他の分野の技術力を高めるきっかけにもなります。
日本国内の科学技術力を高めるためにも、ロケット開発は重視されているのです。
ロケットの組み立てはもちろんのことですが、ロケット製造の基盤である部品製造から高い信頼性が求められます。
なぜなら、ロケットは地上で使用するものではなく、地球と全く環境の違う宇宙で使用するためです。
宇宙という環境に耐えられるよう、部品の段階で高度な負荷実験を行い、認定を受ける必要があります。
構造はともかく、部品が宇宙の環境下で耐えられないと、事故や破損の原因になりかねません。
厳しい負荷実験を何度も繰り返し、認定を受けられる耐久性を持った部品がロケットに使われます。
また、事故が起きたときの原因解明のために、部品の製造にあたる履歴等を細かく記録し、保管しておくことも大切です。
宇宙でのロケットの事故等は、破片などの残骸の回収が困難になります。
そのため、記録から事故の原因がわかるようにしておく必要があります。
このような理由から、ロケット部品の製造には高い正確性と信頼性が求められるのです。
ロケットの部品製造は高い信頼性が求められますが、それゆえに大きな課題もあります。
おもな課題は以下の3つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
1つ目の課題としてあげられるのが、部品の製造コストが高いことです。
ロケットは地球上とは全く別の環境下で使用します。
高加速・高温・高圧・高真空に耐えうる部品を製造する必要があり、それらは自動車の部品製造よりもはるかにコストがかかります。
製造コストが高ければ高いほどロケットに関わる宇宙産業の衰退に起因するため、低コストの実現が求められています。
部品製造における課題の2つ目は、開発期間が長期化してしまうことです。
ロケットは宇宙空間で確実に動作しなければ任務が果たせません。
そのためには、高い信頼性と厳しい負荷実験をクリアする必要がありますが、それらをすべてこなすには長い期間が必要となります。
しかし、開発期間が長期化すると、技術の進歩の遅れにもつながります。
スピード感が求められるロケット開発において、開発期間の長期化は致命的になるため、改善策・対応策が求められています。
近年の携帯やパソコン、自動車等の小型・軽量化にならい、ロケットも低コスト・軽量化が求められています。
その切り札として、地球用の部品をロケット用に転用できるかが検討されています。
宇宙用の部品としてイチから製造するのではなく、自動車や航空機に使われている部品を宇宙環境下に耐えられるよう転用すれば、小型化・軽量化や低コスト化を実現できます。
弊社では、航空機やロケットをはじめとする大型部品製造を得意としております。
H3ロケットの部品製造や加工、発射台の製造にも携わっています。
H3ロケットとは、現在輸送機として使われているH-ⅡAロケットの後続機である大型ロケットで、毎年6機ほど打ち上げ予定のある次世代ロケットです。
上記の大型機械を保有し、専門的な知識とノウハウで航空機やH3ロケットの部品を製造できます。
設備に関してはホームページをご覧ください。
ロケット産業の次世代を担うH3ロケットの部品製造、発射台に関しては弊社にお任せいただければと思います。
お困りごとがございましたらお気軽にお問い合わせください。
ロケットの部品は30万点あるといわれています。
ロケットは宇宙環境下で使用するため高い信頼性が必要であり、ロケットを構成する部品は、耐久性や動作における高い信頼性が欠かせません。
上記を踏まえ、ロケットの部品製造には大きな課題が3つあります。
これらの課題を改善すべく、部品の軽量化や小型化を促進し、地球上で使用されている部品を宇宙用に転用する取り組みも進められています。
航空機だけでなく、半導体や金属加工にも精通しているため、なにかお困りの際はお気軽にお問い合わせください。
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