トンネルの支保工とは、トンネル工事で掘削を行うとき、内部が崩れてこないように支えるための仮設構造物です。
トンネルが完成すると隠れてしまうため、一般の人の目に触れる機会は少ないものの、トンネル工事には欠かせない重要な役目をもっています。
トンネルの支保工の概要や製造方法について紹介します。
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土木工事ではコンクリート荷重を支えるために使用される支柱や間柱などの支持部分は支保と呼ばれ、特にトンネル工事で掘削を行う際に使用される仮構造物を支保工といいます。
トンネル工事では、大型の掘削機械を使用し、山や地下の土を削って外へと運び出す掘削と呼ばれる作業を行って穴を掘り進めていきます。
最終的にトンネル内部の床や壁などはコンクリートを吹き付けて舗装を行いますが、掘り進めていく最中は剥き出しになった岩盤が崩れてくる危険性もあります。
そこで工事の間、土砂や岩盤が崩れてこないように支えるため一定間隔で施工されるのが支保工です。
支保工はトンネル完成後に内部を安定させる役割も果たします。
トンネル支保工には、大きく支柱式とアーチ式の2種類がありますが、ここでは主にアーチ式について説明します。
工事中のトンネル坑道の先端は切羽と呼ばれ、掘削機械や発破によってトンネルを掘り進めた後、支保工はここに設置されます。
短時間で固まるコンクリートを切羽に吹き付けて補強した後、アーチ状の支保工を据え付け、ひとつ前の支保工と連結させ、壁を補強するためコンクリートを吹きつけます。
その後、落下防止のためのロックボルトを指し込んで支持岩盤へと到達させ、コンクリートを地山と一体化させてさらに補強します。
工事が完了すると支保工はコンクリートに覆われて見えなくなってしまうので、私たちが普段目にすることはありませんが、トンネル工事には欠かせない重要な役目を果たしています。
トンネル内部を支える支保工はトンネル工事にはなくてはならないものですが、トンネル全体を覆う巨大な支保工はどのようにして製造されているのでしょうか。
トンネル支保工の製造過程をみていきましょう。
まずはトンネルの壁面に合わせて支保工をアーチ状に曲げていく作業です。
鋼製支保工は通常、断面がH型になったH型鋼を用いて作られますが、支保工に使われる鋼材はH100からH200程度の大きなもので、長さも何メートルにもなります。
そうしたH型鋼を巨大な曲げ加工機(ベンダー機)を利用して所定の半径になるよう曲げ加工を行います。
曲げ加工を施した支保工をガス切断などの切断法を用いて所定の長さに合わせて切断していく作業です。
通常、曲げ加工の時点で鋼材は余分に切り出してあることがほとんどであるため、加工後もつかみ代となる端の部分には直線が残ることがあります。
不要な部分を切り落として支保工を決められた寸法にするのが切断加工です。
切断加工により、設計図通りのサイズに切り出された支保工ですが、まだ完成ではありません。
この状態だと、切断面がH型のままになっているため、端の部分に鋼板を取り付けて塞ぐ必要があります。
そこで、次に鋼材と支保工本体を接合するために溶接加工を行います。
溶接には機械を使って行う方法もありますが、細かい調整が必要な部分だと、やはり人の手による溶接を行うことが多くなります。
支保工の端部は地面に触れて全体を支える基礎となる部分ですから、溶接においても職人の手による正確な作業が求められます。
トンネル支保工の製造における曲げ加工や切断、溶接といった工程は、一見単純に見えますが、実際には1つ1つに高度な正確さが求められ、非常に高い技術力と知識を要する作業です。
曲げ加工で鋼材に歪みが生じたり、曲げる径が誤っていたりすると、支保工はトンネルを支える役割を果たせなくなってしまいます。
また、他の支保工と連結させる必要上、個々の長さが違うということは許されませんし、切断加工でもミリ単位での精確さが求められます。
巨大なトンネル支保工の製造には大型機械の使用が不可欠ですから、品質の高い支保工を製造するには機械を扱うための熟練した技術や知識、経験が欠かせません。
製造に必要な大型機械を有し、必要な技術や知識をもち、信頼できるトンネル支保工を製造できる企業は日本全国でも決して多くはないといえるでしょう。
トンネル支保工は、掘削工事中のトンネルで内部が崩落してこないように支えるための仮設構造物です。
完成後はコンクリートを吹き付けてしまうので、一般の人に見られる機会はありませんが、トンネル工事の安全性を支えている重要なものです。
品質の高い支保工を製造するには、確かな知識や高度な技術、実績などが必要になります。
支保工製造についてさらに詳しく聞きたい、トンネル支保工の製造を依頼したいという場合は、当社へ気軽にお問い合せください。
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