「製缶工」という職種・仕事をご存じでしょうか。
聞きなれない人も多いかもしれませんが、ありとあらゆる業界の現場において、製缶工の職人仕事がなければそもそも業務が成り立たないという必要不可欠な仕事です。
溶接や機械加工の技術を駆使して、立体的な製品作りに従事するのが製缶工の仕事ですが、本記事では、製缶工の仕事内容や業務のやりがいなどについて、わかりやすく解説しています。
ものづくりに興味のある方は、あらゆる業界を影で支えるスケールの大きな職人仕事も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
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製缶工とは、鉄やステンレスの金属板や鋼材等を加工・成型して、立体的な製品作りをする人のことです。
加工する際は、以下の作業などをします。
工場などで使用されるタンクやクレーン、船の部品など、さまざまな構造物を製作する際に、製缶工が活躍しているのです。
製缶工は、あらゆる機械や機械部品を作る際に必要不可欠な人材で、機械を用いてより複雑な形状の構造物を作ることから、板金加工とは区別されます。
金属板の切断や曲げ加工、溶接などをする製缶工の業務に対して、「キツいのでは」と思う方もいらっしゃるでしょう。
確かに現場の作業環境によっては、「キツい」可能性もあります。
しかし、いわゆる3K(キツい・汚い・危険)が揃った作業現場であれば、製缶工に限らずきつい現場です。
結局のところ、製缶工をひとくくりにして「キツい仕事」と言うには語弊があります。
製缶工を扱う各社の作業環境が、空調設備などを充実させるなどしていれば、一般的な工場作業などと大差はありません。
働く作業環境によってはキツいと感じるかもしれないため、設備が整っている職場を探すのがおすすめです。
ここでは、製缶工の具体的な仕事内容をみていきましょう。
製缶工の日々の業務は、以下に挙げた8工程に区分できます。
製缶工における最初の業務は「製品図面の設計」です。
設計作業を確実・正確に行わなければ、完成品がまったく役に立たない可能性も十分あります。
多くの場合は発注者が設計図面を作成しており、製缶工の業者に依頼するケースです。
しかし、発注者に十分な知識や経験がない場合もあるため、製缶工がプロとして最適な設計図を提案する機会も出てきます。
設計図次第で、現場の作業効率や材料のロスにもつながるため、金銭的なコストだけでなく、人的コストを意識した製品図面の設計が重要です。
設計図面にもとづき、鋼材から必要な形状を切り取る「切断・抜き加工」をおこないます。
切断・抜き加工でおもに使用される機器・設備は、以下のとおりです。
なかでもレーザー加工機を用いた加工が多く、精密・スピーディな切断が可能、熱による変形が発生しにくく加工時のゆがみなどのリスクを抑えられるといったメリットがあります。
製品の用途や素材の特徴によって使用する機器も異なるため、切断・抜き加工一つをとっても、高い技術力が求められるのです。
【関連記事】切断加工の種類を解説!7種類の切断加工を適切に使い分ける方法
鋼材から必要な形状を切り取れたら、曲げ加工を施すのが3つ目の工程です。
「プレスブレーキ」と呼ばれる機械を用いて、製品作りに必要な形状に金属板を加工していきます。
大別すると、「一定の角度に曲げる」「円形にまるめるように曲げる」加工をしますが、一見単純な作業に見えて、実はとても繊細な工程です。
曲げ位置や角度によってその後の作業に影響を及ぼし、場合によっては切断からやり直すことも。
曲げ加工の種類にもいくつかあるため、素材に応じた負担の少ない曲げ加工が必要なのです。
曲げ加工した複数の金属を接合させ溶接するのが、続いての工程です。
溶接にも種類があり、素材や製品の用途に応じて使い分けます。代表的な溶接機は、MIG溶接、TIG溶接の2つです。
溶接により金属を強固に接合し、次の作業へ移ります。
【関連記事】溶接加工とは?3つの分類・6つの溶接加工についてわかりやすく解説
溶接した金属に対し、部品の装着やはめ込みをするための穴あけ加工を施すのが、続いての工程です。
穴あけ加工は、製品によって順番が前後することも。
溶接をした後に穴あけをするには不便なほど大型な部材の場合、2番目の切断工程で事前に穴あけ加工を施すケースが大半です。
設計の段階から効率よく作業を進められるよう想定されているため、製缶工として、一連の作業を理解しておくのは非常に重要といえるでしょう。
穴あけ加工まで完了すると、機械加工と呼ばれる工程に入ります。
フライス盤、旋盤などの工作機械を使用し、精密な加工を施す工程です。
設計図に指定された寸法に合わせて、製作した素材を細かく削っていきます。
ここまでくると作業も大詰めです。機械加工が済んだ製品に対して研磨加工を施し、溶接跡や機械加工の跡などをきれいに仕上げます。
研磨加工して表面を磨くことで、最終工程の表面処理の効果を高められるのです。
最後に、表面処理と呼ばれる皮膜を形成する工程を実施します。
皮膜を形成することで耐熱性や耐食性などを高められるだけでなく、装飾性を高める目的で多彩な着色も可能です。
製品の使用環境は屋内なのか屋外なのか、使用用途は何なのかなど、使用環境を踏まえて適切な表面処理を施します。
以上が製缶工の業務内容・工程です。
製品によってはさらに特殊な加工を施すものもあり、手作業による加工が多いというのも特徴的。
そのため長年の経験や技術力が、製品の品質を左右する側面もあります。
製缶工の業務は、上記のとおり多岐に渡ります。
昔ながらの製缶工であれば、これらの工程をすべてこなせるようになって、ようやく一人前と認められていました。
現在は分業化されて、チーム・作業者が一丸となって製缶作業に取り組みますが、各工程に関する知識や経験はもちろん必要で、技術の蓄積には相当の時間がかかります。
こうした技術の蓄積によって作り出される「ものづくり」そのものが、製缶工における最大の魅力・やりがいです。
他業界のものづくりにはない、製缶工に特有のものづくりに対する達成感や、試行錯誤できる日々などが、製缶工の業務経験によって得られるやりがいといえます。
弊社では、上記の製缶工に従事したい方を募集しています。
鉄工所の勤務経験がある方は優遇いたしますが、社内で資格取得の支援体制もあるため、未経験の方でも興味があればぜひ一度ご連絡ください。
図面の理解、仮組する技術、本溶接をする技術、製品の品質評価の判断などが中心的な業務ですが、具体的には、以下の業務を担う人材を募集しています。
弊社の業務内容に関して少しでも興味を持たれた方は、金属加工のプロフェッショナルとして、私たちと一緒に高品質なものづくりをしていきましょう。
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製缶工という職種は、決して目立つような仕事ではないかもしれません。
しかし、あらゆる業界において、製缶工の高品質なものづくりによって生み出された製品が活躍しています。
幅広い知識や長年の経験が必要だからこそ、ものづくりに興味関心のある方、一つのことを突き詰める職人気質な作業が好きな方は、弊社がピッタリです。
他業種からの転職・就職で、未経験者の方も活躍できる職場なので、少しでも興味のある方は、ぜひ私たちと一緒に働きましょう。
ご不明点などがあれば、お気軽にご連絡ください。
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