HOMEPick Up高周波曲げとは | メリットやデメリット、重要なポイントを解説

高周波曲げとは | メリットやデメリット、重要なポイントを解説

高周波曲げとは、熱を利用しパイプなどの部品を曲げる加工です。

一見簡単そうに思える加工ですが、さまざまな専門的知識が関係する加工でもあります。

効率的に高周波曲げを活用するためにも、正しい知識を身に付けましょう。

この記事では、

  • 高周波曲げとは
  • 高周波曲げのメリット
  • 高周波曲げのデメリット
  • 高周波曲げで重要なポイント

について解説します。

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高周波曲げとは

高周波曲げとは、パイプなどの部品を曲げるための加工の一種です。

「高周波」は「高周波誘導加熱」を意味し、熱による高温を利用し加工物を曲げます。

そのため、高周波曲げとは別に「熱間曲げ」、「高周波ベンディング」とも呼ばれています。

 

高周波曲げと対をなす加工方法として、冷間曲げという加工方法もあります。

冷間曲げの特徴は、720度以下の熱により加工物を曲げることです。

高周波曲げよりも低温で加工できることもあり、多くの曲げ加工で活用されています。

一方、高周波曲げは加工物の耐久性を上げやすいことが特徴です。

 

また、「パイプを曲げるのに専門的な機械は必要なのか?」という疑問をお持ちの方も多いと思います。

たしかに、わざわざ大掛かりな機械を用いなくても、手軽な工具でパイプを曲げられます。

ただ、大きく分厚いパイプを曲げる際や、難しい曲げ方をする際は、どうしても専用の機械を使わなくてはいけません。

 

高周波曲げのメリット

高周波曲げのメリット2つを下記のとおり解説します。

  1. 高い耐久性を保てる
  2. 加工しやすい

高周波曲げは、曲げ加工のなかではどちらかというとマイナーな加工方法です。

ただ、高周波曲げならではの強みがあるので、メリットを理解し状況に応じて選択肢に含められるようにしましょう。

 

メリット①:高い耐久性を保てる

高周波曲げのメリット1つ目は、高い耐久性を保てることです。

高周波曲げは高温で加工するため、加工物の組織が密集し頑丈に仕上がります。

パイプの使用用途はさまざまですが、もし壊れてしまうと大惨事につながってしまうケースが多いでしょう。

高周波曲げなら、引っ張り強度も高められるため、万が一の事態を回避できます。

 

メリット②:加工しやすい

高周波曲げのメリット2つ目は、加工しやすいことです。

加工物を高温で加熱するため、柔らかい状態で曲げられます。

「パイプを曲げるだけ」と聞くと曲げ加工は簡単そうに思えますが、実際はさまざまな制限のなかで工夫を凝らす必要がある加工です。

曲げる箇所や曲げる角度によっては、高周波加工ならではの加工のしやすさが重視されます。

曲げ加工を行う際、強引に曲げようとすると、加工中に損傷してしまったり、意図せずに変形してしまったりします。

失敗してしまうと手遅れなので、はじめから高周波曲げを選択することが重要です。

 

高周波曲げのデメリット

曲げ加工のなかで高周波曲げがメジャーになっていないのには理由があります。

特に大きな理由は、加工できる会社が少ないことです。

 

デメリット:加工できる会社が少ない

高周波曲げは、専門的な知識と技術が要求される加工方法です。

そのため、他の曲げ加工と比較すると、少数の会社しか高周波曲げに対応していません。

もし高周波曲げの依頼を検討するなら、専門的な実績と歴史を持つ会社を選びましょう。

自社が取り扱っている、高周波曲げ加工機を見てみませんか?

 

高周波曲げで重要なポイント

高周波曲げで重要なポイント4つを下記のとおり解説します。

  1. 材質により加工のしやすさが異なる
  2. 寸法により加工のしやすさが異なる
  3. 曲げ角度に制限がある
  4. 曲げ最小Rに注意する

 

ポイント①:材質により加工のしやすさが異なる

高周波曲げで重要なポイント1つ目は、材質により加工のしやすさが異なることです。

高周波曲げは主にパイプの曲げ加工に用いられます。

ただ、パイプといっても鉄や銅などさまざまな材質があります。

材質によって加工のしやすさが大きく異なることを理解しておきましょう。

 

ポイント②:寸法により加工のしやすさが異なる

高周波曲げで重要なポイント2つ目は、寸法により加工のしやすさが異なることです。

寸法が異なるだけで加工のしやすさは大きく変わってきます。

基本的には太いパイプや長いパイプ、反対に短すぎるパイプほど加工は難しくなります。

 

ポイント③:曲げ角度に制限がある

高周波曲げで重要なポイント3つ目は、曲げ角度に制限があることです。

急な角度の曲げ加工を行うと、加工物が耐えきれず壊れてしまったり、制御しきれず曲げ角度がズレてしまったりします。

材質や寸法によって曲げ角度の制限は異なるので注意しましょう。

 

ポイント④:曲げ最小Rに注意する

高周波曲げで重要なポイント4つ目は、曲げ最小Rに注意することです。

曲げた箇所の内側部分の角度を曲げRと呼びます。

また、その加工物を壊さずに加工できる最小の曲げRを曲げ最小Rといいます。

曲げ最小R以下の角度で加工しようとすると、加工物が耐えきれず壊れてしまいます。

曲げ最小Rに近い角度の加工を行う際は、特に破損を警戒しましょう。

 

まとめ

今回は高周波曲げについて、メリット・デメリットや重要なポイントについて解説しました。

加工物を高温で熱する高周波曲げは、加工のしやすさと耐久性の高さを両立させられます。

パイプなどの部品を曲げ加工する際は、ぜひ活用を検討してみてください。

もっと高周波曲げを深く理解したい、ご相談したいという場合は、気軽に当社へお問い合わせください。

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