レーザー加工機は、レーザーを使って材料の加工を行うレーザー加工に用いられる機械です。
さまざまな材料や加工方法に利用できるため、幅広い業種で使用されており、現代の製造業にはなくてはならない工作機械といえるでしょう。
この記事では、レーザー加工機の特徴や種類、メリット、デメリットについて解説します。
目次:タップで該当箇所へジャンプ1 レーザー加工機とは2 レーザー加工機の仕組み2.1 仕組み①:レーザー光の生成2.2 仕組み②:レーザー光の増幅2.3 仕組み③:レーザー光の照射3 レーザー加工機の種類3.1 種類①:CO2レーザー加工機3.2 種類②:YAGレーザー加工機3.3 種類③:ファイバーレーザー加工機3.4 種類④:複合レーザー加工機4 レーザー加工機のメリット4.1 メリット①:簡単操作で複雑な加工ができる4.2 メリット②:メンテナンスに手間がかからない4.3 メリット③:多品種少量生産に対応できる5 レーザー加工機のデメリット5.1 デメリット①:加工に時間がかかる5.2 デメリット②:加工できない素材がある5.3 デメリット③:導入・維持コストが必要になる6 まとめ ▼弊社の会社概要はコチラからご覧いただけます。
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レーザー加工機は、レーザー光を使った切断や穴あけ、彫刻、マーキングなど、さまざまな加工が行える機械です。
刃物などを直接材料に触れずに加工できるのが特徴で、金属だけでなく木材や布地、皮革、ガラス、アクリルなど多様な素材に利用できるため、幅広い業界で導入されています。
レーザー加工機は次のような仕組みで材料の加工を行っています。
加工機に内蔵されているレーザー発振装置で、電子にエネルギーを与えて光エネルギーの誘導放出を行い、レーザー光を発生させます。
生成されたレーザー光は光路を通じてレーザーヘッドへと伝送されます。
このとき、内部のミラーで反射が反復されるため、レーザー光が当たった他の電子がさらに光エネルギーを放出。レーザー光はエネルギーを増幅させていきます。
増幅しつつ伝送されてきたレーザー光は、集光レンズで適切な強さへと集光され、レーザーヘッドから対象物に照射されます。
光エネルギーは材料表面の温度を急激に上昇させて蒸発・融解を起こし、対象物の加工を行います。
照射時には、レーザー光と一緒にアシストガスを吹き付け、スパッタといわれる加工時の飛散物を飛ばすとともに、レンズの破損や蒸発ガスが引火するのを防いでいます。
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レーザー加工機は、使用される媒質などにより、いくつかの種類に分けられます。
レーザー加工機の主な種類を4つご紹介します。
炭酸ガス(CO2)を媒質として窒素、ヘリウムを混合し、光エネルギーを発生させる仕組みの加工機です。
他の機種と比較して価格が安く、対応可能な素材も幅広いのが特徴で、最も多く導入されているタイプです。
ただ、光を反射する金属に関しては少し加工しにくく、他の加工機のほうが向いています。
また、本体の価格は安いものの、ガスを補充する必要があるため、維持コストがかかるもデメリットです。
YAG(ヤグ)といわれる複合酸化物の結晶を使ってエネルギーを発生する仕組みの加工機です。
YAGとは、使用されている元素のYttrium(イットリウム)、Aluminum(アルミニウム)と結晶構造を表す Garnet(ガーネット)、それぞれの頭文字をとったものです。
熱による歪みや変形、引っ張りが起こりにくく、美しく仕上がるのが特徴で、薄い材料でも綺麗に加工できるため、主に彫刻やマーキング、溶接などに利用されています。
CO2と比べると本体も高価で維持コストも高いため導入率は低めですが、医療分野のようにYAGレーザーならではの精密な加工が必要とされる場面も多くあります。
近年になって普及してきた比較的新しいタイプで、光ファイバーを媒質にしている加工機です。
エネルギー効率が高く、細かな場所にピンポイントで照射できるのが特徴で、CO2加工機が不得意な反射率の高い銅やアルミなどの金属も加工できます。
ガス補充が必要なく、消費電力も低いため、維持コストが抑えられるのもメリットです。
ただ、加工機本体はCO2加工機の約1.5倍が相場といわれるように高額で、導入のハードルが高い点はデメリットといえるでしょう。
レーザー加工に加えて、曲げやタップ、パンチングなど複合的な能力を備えた加工機です。
一台で複数の工程をこなせるため作業の効率化や時間短縮が見込めます。
反面、機械本体の価格が高額で、サイズも大きいため設置場所をとるのがデメリットです。
レーザー加工機も含めた、弊社の設備を見てみませんか?
レーザー加工機がもつ3つのメリットをご紹介します。
1つ目のメリットは、簡単操作で複雑な加工ができることです。
使用するのに専門の技術や知識は必要なく、図面データを送るだけで精密かつ複雑な加工が可能になります。
さらに、レーザー加工は設計データの再現性が高いのが特徴で、3Dのように複雑な形状の切断、彫刻などが容易に行えます。
また、刃物を使わず非接触で加工するので素材にキズがつきにくく、バリやダレなども発生しにくいため、切断面などの仕上がりがとても美しくなり、後処理の工程も省けます。
2つ目のメリットは、メンテナンスに手間がかからないことです。
材料に直接刃物などを当てるわけではないため、刃や工具の摩耗・消耗がなく、部品交換や清掃といったメンテナンスコストを抑えられます。
3つ目のメリットは、多品種少量生産に対応できることです。
他の加工方法と違い、金型が必要なく、データさえ用意すれば、小ロットの生産でも柔軟な対応が可能です。
レーザー加工機がもつ3つのデメリットをご紹介します。
1つ目のデメリットは、加工に時間がかかることです。
多様な加工を実現できるレーザー加工機ですが、レーザー照射によって対象の温度を上げて形状を変化させる仕組みのため、刃物や工作機械を利用した通常の加工と比べて作業速度は遅くなります。
2つ目のデメリットは、加工できない素材があることです。
レーザー加工機は幅広い素材に対応しているものの、なかには加工できない、またはやりにくい材料も存在します。
例えば、光を当てる関係上、あまり厚い素材だと加工できません。
また、古い機械などでは反射率や熱伝導率が高い材料が上手く加工できない場合があります。
3つ目のデメリットは、導入・維持コストが必要になることです。
加工機を利用するには当然、本体を購入する必要がありますし、その後も使用するガス代や電気代、部品の交換費用など定期的にランニングコストが発生します。
この記事では、レーザー加工機について解説してきました。
レーザー加工機を利用すれば、簡単な操作で複雑かつ綺麗な仕上がりの加工が可能になります。
導入や維持にはそれなりのコストがかかるものの、メリットの大きな加工機といえるでしょう。
レーザー加工機にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や得意分野が違うため、適切なタイプを選択する必要があります。
レーザー加工機についてさらに理解を深めたいという場合は、気軽に当社へお問い合わせください。
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