金属加工の中には、材料を削る切削加工というものがあります。
旋盤加工は切削加工の一種で、丸い形に加工する際に用いられる加工です。
また旋盤加工に中にも種類があり、様々な方法で金属などの材料が加工されています。
旋盤加工はどのような種類があるのか知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、弊社の得意とする金属加工の一種である旋盤加工についての説明と5つの種類の特徴、加工手順などを詳しく解説しています。
金属加工に興味がある方、旋盤加工について知りたい方は今後の参考にしてください。
南条製作所では機械を用いた旋盤加工を行っております。
機械や設備に関して詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
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旋盤加工とは、材料を回転させ工具を当てて切削する加工方法のこと。
加工する材料そのものを回転させ、工具を材料に当てて加工します。
そのため、完成した材料は円盤状・筒状・リング状といった丸型の形になります。
また丸物を作るだけでなく、溝を掘ったり穴をあけたりする加工も可能です。
似た加工方法で、フライス加工というものがありますがこれらの違いは何を回転させるかです。
フライス加工は工具を回転させ、材料を当てて削る方法で角物を作る際に適しています。
このように材料によって適した加工方法を用いて金属加工を行うのです。
【関連記事】NCフライス盤とは?旋盤・マシニングセンタとの違い | 切削加工で活用
旋盤加工では、円盤状のものやリング状のもの、溝を掘る加工など、様々な加工方法があります。
その中でも代表的なのが以下の5つです。
上記の5つの加工はすべて旋盤加工の一種で、それぞれに特徴があります。
それぞれの加工方法を詳しく解説していきましょう。
旋盤加工の中で最もメジャーでよく使われるのが外径加工です。
回転する材料に工具をあて、材料の外側を削っていきます。
表面を滑らかにする仕上げや、大きな材料をおおまかな形に合わせる際によく使われる加工方法です。
一見簡単そうですが、削ったものが工具に絡まると精度が落ちてしまうためこまめな工具の調整が必要になります。
テーパーとは、細長いものが先端に向かうにつれ先細りになることを意味します。
テーパ加工もそれと同様に、先端が徐々に細くなる円錐状のものを作る際に用いられます。
材料を回転させながら削るので、徐々に当てる工具の角度を変えて削っていきます。
角度を変えながら削る以外の基礎は外径加工と同じです。
旋盤加工では、穴あけ加工も可能です。
材料を回転させ、軸側からドリルを当てて穴をあけます。
工具を当てる位置が外径加工やテーパ加工とは異なりますが、仕組みは簡単です。
穴あけ加工する際には、削りくずが穴にたまりやすいためこまめに排出しながら加工します。
【関連記事】切削加工3種類を解説!旋削加工・フライス加工・穴あけ加工とは
内径加工とは、材料の内側に工具を当てて行う加工方法のことです。
一般的に穴あけ加工をした後の穴に工具を当てて、穴を広げるような形で加工します。
外径加工のように、加工部分が外側から見えないため若干難易度が上がる加工方法です。
また中を削るために長さのある工具を使用するので、たわみや振動が生じて精度が悪化してしまうこともあります。
旋盤加工では材料に溝を掘る加工もできます。
外径加工と同じように外側から工具を当てますが、工具の特性上材料に対して水平方向には動かせないため注意が必要です。
溝加工の発展で、突切り加工というものもあります。
溝加工は溝を掘るだけですが、突切りはそのまま材料を切る加工方法です。
どちらも材料に対して工具を垂直方向にしか動かせないのが特徴です。
では実際に旋盤加工はどのように行うのでしょうか。
大まかな手順は以下の通りです。
本来であれば、旋盤加工の手順は部品によって細かく異なりますが、本記事では代表的な工程を説明します。
それぞれの手順を詳しく解説していきましょう。
初めに、機械に材料と切削工具を取り付けます。
加工の種類によって、取り付ける工具が異なるので工具や材料の取付には十分な注意が必要です。
また取り付ける際にしっかりと位置決めをして、精度が悪化しないようにしましょう。
また角度の調整も必要です。旋盤加工する種類によって位置取りは異なるので、それぞれの加工に合った位置決めをしましょう。
一番初めの工程で取り付け方を間違えると、製品化ができず納期が守れなくなってしまいます。
機械の掃除や点検を入念に行い、工具と材料を取り付けましょう。
次に荒加工をします。
荒加工とは、材料を完成版に近づけるためにおおまかな削り出しをすることです。
材料が大きなままでは細かい加工がしにくいため、荒加工をする必要があります。
荒加工には荒加工用の工具があるので、注意しましょう。
仕上げ加工前に荒加工をすることで工具や機械の負担を軽減でき、工具が長持ちするためコストダウンにも繋がります。
荒加工自体は大まかな形にするので精度の高い工程ではありませんが、削りすぎてしまうと修正ができないため注意が必要です。
荒加工の後は、いよいよ材料を製品の形にする仕上げ加工をします。
仕上げ加工には中仕上げ加工と仕上げ加工があり、中仕上げ加工は仕上げ加工の準備段階です。
2つまとめて仕上げ加工と呼ぶ場合もあります。
仕上げ加工は旋盤加工の本番といっても良いほど、精度が必要な工程です。
材料の回転数や速度に気を払いながら、細かい仕上げをしましょう。
バリ(※)が出てしまう場合には、表面を傷つけないように細心の注意をしながら、やすりがけをします。
※バリとは、材料を削る際にできる意図しない金属のかえりのこと。取り除かないと、製品が正常に動かないなどのトラブルの発生に繋がります。
なるべく表面が凸凹にならないよう、均一に仕上げることが大切です。
【関連記事】機械加工とは?3つの機械加工や注意点などをわかりやすく解説
切削加工の一種である旋盤加工は、材料を回転させ工具を当てながら削る加工方法です。
旋盤加工にも種類がたくさんあり、以下の5つが代表的な種類になります。
それぞれの加工方法によって、使う工具や工具を当てる位置などが異なるため、加工方法に合ったものを選びましょう。
旋盤加工の主な手順は次の3つです。
加工の種類によって手順は異なりますが、おおまかな手順は上記の3つです。
南条製作所では、旋盤加工を始めとして様々な種類の金属加工を承っております。
金属加工でお困りの方は弊社にご相談ください。
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