「機械加工の見積もりを依頼する前に、金額の決め方を知りたい」と考える方も多いでしょう。
見積もりのルールや算出方法は企業によって異なるので、注意が必要となります。
提出された見積もりの金額が適正か判断するためにも、費用の種類など基本的な要素を理解しておくことが重要です。
そこで本記事では、機械加工の見積もりの決め方を解説します。
見積もり金額抑える方法や見積もりが出るまでの時間についても紹介するので、参考にしてください。
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機械加工の見積もりの基本的な要素は、以下の3つです。
従って上記の3つの要素を足した費用が、見積もりの合計額になります。
見積もり額=材料費用+加工費用+特殊加工費用
各要素について詳細に知っておくと、見積もり内容を理解しやすくなるでしょう。
それぞれの項目について、具体的に解説していきます。
1つ目の要素は、「材料費」です。
材料費とは鉄鋼やマグネシウムなど、加工部品にかかる素材の費用のことを意味します。
社会情勢や経済状況で価格が変動する傾向にあり、円安の時期は材料費が高くなるのが一般的です。
企業によっては材料費が安い場合もありますが、基本的に大きな差はありません。
材料費をより詳しく知るためにも、「材料費の決め方」と「素材とその費用」についてチェックしていきましょう。
研磨や切削加工では素材を塊で購入しており、素材のキロ単価によって材料費が決まります。
材料費の計算式は、以下の通りです。
材料費= 素材重量(kg)×キロ単価(円/kg)
サイズではなく、重量で金額が決定することを念頭におきましょう。
大量に加工する場合は素材の調達コストを減らせるので単価を抑えられますが、少量を加工する場合には材料費が割高になる点は気をつけてください。
基本的な素材とその費用は、以下の通りです。
ただし、加工する量や流通価格によって材料費が変化するので、都度見積もりを取得し、価格を確認してください。
2つ目の要素は、「加工費」です。
加工費とは、加工に関わる設備費や人件費のことを意味します。
設備費・人件費から算出した「加工チャージ」と作業量を表す「加工工数」から計算でき、計算式は以下の通りです。
加工費用=加工チャージ×加工工数
企業によって算出ルールや方法が異なり、見積もり額で最も差が出る要素となるので、しっかり理解しましょう。
それぞれの項目について、詳しく説明していきます。
加工チャージとは、加工に必要な設備や人材に関わる費用のことで、算出の指標は以下の3つです。
具体的には、1日あたりの設備コストを稼働率で割って、人件費や管理をプラスして計算します。
加工工数とは、加工にかかる作業量のことで、以下の計算式で算出します。
加工工数=作業時間×作業人数
工数は時間の扱い方によって単位が異なり、「人時」「人日」「人月」などを用いるのが一般的です。
例えば、加工作業を1日に3人で実施する場合には、1日×3人=3人日となります。
人数に関係なく単純に作業時間の総数を記載するケースもあるので、単位を含めて気をつけてチェックしましょう。
特殊加工費とは、熱処理や仕上げの特殊加工などを追加で実施した場合に発生する費用のことで、どの企業に依頼しても大きな金額差はありません。
特殊加工費が必要となる主な作業は、以下の通りです。
それぞれの加工内容について、具体的に解説していきます。
メッキとは、対象物の表面に金属の薄い膜を施す加工のことです。
金属から非金属まで幅広い対象物に加工でき、耐食性や摩耗性などを強化する目的で利用します。
メッキの種類は、以下の3つです。
「表面が剥がれにくい」「高強度で痛みにくい」などのメリットもあります。
塗装とは、対象物の表面に塗料の膜を形成する加工のことで、装飾や保護などを目的として実施します。
塗装の種類は、以下の5つです。
常温の大気下で作業できるため、比較的簡単に作業環境を整えられます。
研磨とは、砥粒(とりゅう)によって対象物を削ることで表面を滑らかにする加工のことです。
外観の向上や汚れの付着防止などを目的として加工を実施します。
研磨の種類は、以下の5つです。
表面を削るために使用する砥粒には、ダイヤモンドやアルミナなどを使用します。
機械加工の見積りについて、考慮しておきたいポイントは以下の通りです。
ポイントを押さえておくと、スムーズに見積もりを取得できるでしょう。
「機械加工の見積もりを依頼したい」という方は、ぜひ弊社の各工場のページをご確認いただき、最寄りの拠点にご連絡ください。
費用を算出する方法やルールはさまざまで、見積もりは会社によって異なります。
材料費や特殊加工費は会社の違いで大きな差が生じることはありませんが、加工費には違いが出るためしっかりとチェックしてください。
ただし、「加工費が安いから良い」とは一概には言えません。見積もりに基づきながら作業工程や品質についてヒアリングすることも重要です。
見積もりが出るまでの時間は、数日〜1週間が一般的です。
製作実績のある製品の場合は、スピーディーに見積もりをもらえる可能性もあります。
見積もりを打診した際に、提出までにかかる時間を聞いておくと安心です。
また、要求が多かったり、複雑な加工があったりする場合には、1週間以上の時間がかかる場合もあるでしょう。
機械加工の見積もりを抑える方法は、以下の3つです。
紹介する方法を活用しながら、積極的に費用の相談・交渉をしてみましょう。
機械加工の工程には「図面作成」が必須ですが、初期費用のボリュームが増えてしまう原因の1つです。
図面データを自社で作成することで、初期費用を抑えられます。
工程や削る量を減らし、なるべくシンプルな図面を作成すると、さらなる費用軽減につながるしょう。
材料を自社で調達して持ち込むことで、材料費を抑えられる可能性があります。
削り分を含めてひと回り大きい材料を用意する必要があるため、自社で購入する場合にはサイズに注意することが重要です。
また、発注数を増やして単価を下げる方法もあります。
複数の企業から見積もりを取得・比較して、費用を抑えられる企業を選びましょう。
1社のみの見積もりだと費用感がつかめず、高額であることを知らないまま発注する可能性があります。
ただし、安価な場合には低品質な製品が納品されるリスクもあり、事前の確認や打ち合わせが大切です。
機械加工の見積もりの基本的な要素は、「材料費」「加工費」「特殊加工費」の3つです。
材料費と特殊加工費は企業による大きな違いはありませんが、設備費や人件費から算出される加工費は差が生じるので、しっかりチェックする必要があります。
見積もり額を減らすためにも、初期費用や材料費を抑えたり、複数の企業から見積もりを取得・比較したりしましょう。
南条製作所では、高い技術力が必要となる複雑な機械加工にも対応しています。
機械加工を検討中の方は、見積り依頼・お問合わせページより気軽にご相談ください。
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