板金加工とは、金属素材の板を手や機械を使って変形させる加工のことです。
「板金加工の依頼をする前に、基本知識や工程を知っておきたい」と考える方も多いでしょう。
見積もり確認や打ち合わせをスムーズに実施するためにも、板金加工の基礎的な情報を把握しておくことが重要です。
そこで本記事では、板金加工の基礎知識や種類についてわかりやすく紹介します。
板金加工の工程や加工機械の種類も解説するので、参考にしてください。
目次:タップで該当箇所へジャンプ
▼弊社の会社概要はコチラからご覧いただけます。
板金加工とは、金属素材の板(板金)を手や機械を使って目的の形に変形させる加工方法のことです。
具体的には、切断・抜き・曲げ・溶接などを通して板金を加工します。
板金加工によって生み出される製品は数多く、例えば以下の通りです。
家具からビルの壁面までさまざまなものに活用されており、板金加工は私たちの生活には欠かせない技術だといえます。
種類や数量に関わらず、低コストかつ短期間で加工できるのもポイントです。
板金加工の種類は、以下の2つです。
その名の通り手で加工する「手板金」と、機械で加工する「機械板金」に分類できます。
それぞれの特徴や加工方法について、詳しく解説するので確認していきましょう。
手板金とは、専用のハサミやハンマーを使って手作業で加工する方法です。
繊細さや精密さを求められる場合や機械では作業するのが難しい場合に、手板金で加工します。
手板金で加工する製品は、例えば以下の通りです。
「単価が高くなる」「大量生産には向いていない」などのデメリットがあるものの、自由で精度の高い加工ができます。
機械板金とは、タレパン加工機などの機械を利用して板金を加工する方法です。
例えば、以下のような機械を使用して板金を加工します。
機械板金は複雑な加工はできないものの、コストを抑えて効率良く加工できるのがメリットです。
板金加工の工程は、以下の8つです。
各工程について具体的に解説するので、流れをイメージしながらチェックしていきましょう。
正面・平面・側面の三面図で構成された図面に基づいて、加工するために必要な展開図を作成します。
曲げ加工が組み込まれている場合には、加工時に伸びが発生するのが特徴です。
展開図においては、伸び部分を踏まえて作成することや、材料を無駄にしない工夫が重要となります。
抜き加工・切断加工は、図面に沿って輪郭を切断して穴をあける工程です。
別名ブランク加工とも呼ばれており、レーザー加工機やタレパン加工機などを利用します。
ブランク加工の種類は、以下の4つです。
複数の機械を組み合わせて加工する場合もあり、求める形状によって方法が異なります。
曲げ加工に進む前に、切断加工や抜き加工によって発生したバリを取り除きます。
「バリ」とは、加工した際に金属面に発生する「ギザギザ」や「出っ張り」のことです。
バリ取りはヤスリなどを利用して手作業で行ったり、サンドペーパーを回転させる機械を使ったりします。
また、ネジを取り付けるのであれば、雌ネジを作成するタップ加工を施す工程も必要です。
切断加工と抜き加工が完了した平面の板金を、プレスブレーキの機械を使って図面通りに曲げていきます。
曲げの種類は、主に以下の4つです。
曲げ加工は、板金加工の中でも最も重要な工程とされています。
加工を施した板金を溶接してつなぎ合わせ、製品の状態に組み立ていきます。
溶接方法はスポット溶接などさまざまな手法があり、金属の材質や厚さによって、適した方法を選択するのが一般的です。
材質が薄ければ薄いほど歪みが生じやすいため、技術者の力量が問われる工程だといえます。
仕上げは精密やすりやサンドペーパーなどを利用して、溶接の際に生じた凹凸を平らにしていく工程です。
その他にも、溶接時に発生した焦げ跡の除去やキズの修復、メッキなどの表面処理を実施し、外観を整えていきます。
複数の部品を組み合わせたり、ビスを止めたりする製品であれば、組立の工程が必要となります。
単品で成立する製品の場合には、組立の工程は不要です。
最終工程として、加工した製品の出荷前検査を実施します。
具体的には、図面と照らし合わせて寸法チェックをしたり、発注数と合致しているか数量の確認をしたりする段階です。
検査クリア後に、顧客に納品して全ての作業が完了します。
「短期間に低コストで加工したい」「実績ある企業に依頼したい」という方は、ぜひ弊社の私たちのページをご覧ください。
板金加工の加工機械の種類は、以下の7つです。
機械の種類を知っておけば、業者との打ち合わせや相談などもスムーズにできるでしょう。
レーザー加工機は、レーザーの光を照射して切断・穴あけ・彫刻・マーキングをする機械です。
速いスピードで自由な形状に切断でき、タレパンでは難しい複雑な形を切り出せるのもポイントだといえます。
0.2〜0.4mm程度の幅で切断できるため、熱変形が少なく済みます。
【関連記事】レーザー加工機とは?仕組みや種類、メリット・デメリットを解説
タレットパンチプレス(タレパン)は、汎用金型を用いて穴あけ加工やトリミングができる機械です。
機械で位置や速度を制御するNC加工ができるため、大量生産やコスト削減が可能となります。
近年ではプレスブレーキなどを連結した「パンチングセル」などの機械も登場し、日々進化しているのも特徴です。
ウォータジェット加工機は、高圧ポンプで加圧された水を噴射することで、切断・切削・穴あけの加工をする機械です。
熱を発しない加工なので、熱に弱い素材でも切断できます。
水を利用することから、低コストで加工することも可能です。
【関連記事】ウォータージェット加工7つのメリットと3つのデメリットを解説
バリ取り機は仕上げの工程で利用する機械で、加工時に生じた突起物などを除去できます。
バリは見た目を損なうだけではなく、引っかかるとケガの原因となるため、きれいに取り除くことが重要です。
また、機械によってはヘアライン加工などの表面処理を同時にできる場合もあります。
スピニング加工機は回転する板金に、自動でローラーを押し当ててカップ状に加工する機械です。
NC制御で加工するため、高精度の製品を生み出せます。
照明器具から航空宇宙の業界まで、さまざまな分野に利用されている加工機です。
プレスブレーキは、曲げ加工を施すために使用するプレス機械です。
押し込む「パンチ」と受ける「ダイ」の間に板金を挟み、加圧量によって角度を調整します。
機械式と油圧式の2種類があり、現在は油圧式プレスブレーキが主流です。
【関連記事】ブレーキプレスとは?ブレーキプレスの種類と曲げ種類を徹底解説
TIG溶接機は、不活性ガスを使用して溶接する機械です。
具体的には、アルゴンやヘリウムなどの不活性ガスを充満させた状態で、タングステン電極から電気を放電することで溶接します。
高強度で、美しく仕上げられるのがメリットです。
板金加工とは、金属素材の板を変形させる加工方法のことで、手板金と機械板金の2種類があります。
加工の工程は、図面展開・抜き加工/切断加工・前処理・曲げ加工・溶接・仕上げ・組立・検査の8つです。
レーザー加工機やタレットパンチプレス、ウォータジェット加工機などの機械を利用して板金を加工します。
南条製作所では、さまざまな機械が必要となる板金加工に対応しており、本社のある三重県では2万㎡超の広大な敷地に7つの工場を構えています。
工場や設備に関する詳細は本社工場に掲載されていますので、検討されている方はぜひご覧ください。
三重県で板金加工を依頼したいという方は、見積り依頼・お問合わせページより気軽にご相談ください。
【関連記事】穴開け加工とは?加工の種類や工具、3つの注意点を解説 【関連記事】複合加工機とは?メリット・デメリット、5軸加工機との違いを解説 【関連記事】溶接ロボットとは?メリット・デメリットを解説
▼弊社の資料はコチラからご覧いただけます。